【バルクアップ】科学的に正しい増量計画


増量はほとんどの人が失敗します。

増量、またはバルクアップとは筋肉のサイズを増やすために体重を増やすことです。

instagramやトレーニングをやってる友人でもバルクアップをやっている人は少なくありません。ただし、そのなかのほとんどの人がバルクアップについて誤解していたり、バルクアップに失敗します。

この動画では科学的な文献を基に本当に正しいバルクアップのやり方について紹介します。

 

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バルクアップについての間違った考え

バルクアップを失敗する人の特徴

バルクアップをやっていた人はたくさん見てきましたが、本当の意味で成功している人は正直なところほとんど見たことがありません。

成功できない人の多くは次のような傾向があります。

  • 目標を具体的に数値化していない
  • 除脂肪体重を増やすことと体重を増やすことを混同している

バルクアップ≠たくさん食べればいい

まず目標について、バルクアップをやるときは減量期同様、1日の目標の栄養摂取量やどれくらい体重を増やすかを細かく記録する必要があります。理由はこの動画の続きで分かります。失敗する人は減量していない期間=バルクアップと勘違いして「バルクアップ期間は食べれば食べるだけ良い」と適当にバルクアップ計画を作ります。バルクアップの目標はあくまで除脂肪体重を増やすことです。当たり前のように聞こえますが実際理解している人は少ないです

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バルクアップの科学的な見解

摂取エネルギーが不足すると筋肉の合成が弱くなる

2010年の研究ではカロリーが不足していると筋タンパク合成が20~30%低下することを示しています。これは筋肉が回復して大きくなるために必要なエネルギーが不足しているためです。これとは逆にバルクアップはエネルギーを十二分に摂ることで筋肉の合成や回復を体がしたい分だけさせてあげることができます。

しかし、エネルギーの摂りすぎは筋肉の大きくする為には有利に働きますが同時に脂肪が増えるリスクも高くなります。

太っている人は筋肉がつきづらい

バルクアップは太ってもいい、脂肪がつくことは決して悪いことではないと考えている人もいますが、体脂肪が一般的なレベルを超えて増えると筋肉がつきづらくなる可能性が示されています。2013年の研究によると体脂肪レベルが上がると体に生理学的な変化が起こり筋肉の増強作用が少なくなるようです。

痩せている人は筋肉がつきづらい、太ってる人は筋肉がつきやすいというのは間違っているとは言えませんが真実とも言えません。つまりバルクアップの正しいやり方はできるだけ脂肪を増やさずに除脂肪体重を増やすことです。

しかし、体脂肪の追加を0にしてバルクアップをするのは不可能と言っても過言ではありません。そのため、もともと体脂肪率が普通レベルの人や高い人はバルクアップにより体脂肪が増え、筋肉がつきづらくなるデメリットをすぐに受けることになります。

もともとある程度脂肪がある人はバルクアップしないほうがいい

おおよその目安としては体脂肪率が13%以上ある人はバルクアップはおすすめできません。10%前後もしくはそれ以下の人がバルクアップの利益を受け取れます。外見的には力を入れなくても腹筋のラインが出るくらいのレベルの人がおすすめですね。

バルクアップ一番の失敗は太ること

先ほど紹介した通りバルクアップの一番のミスは獲得した筋肉に比べて増えた脂肪が多すぎることです。

脂肪が多すぎることでその後の減量にかなりの時間や労力がかかったり体脂肪が増えすぎることは筋肉を構築する能力が下がるので結果的にバルクアップ期間が短くなり獲得できる筋肉量が少なくなることを意味します。

2019年の最近の論文では対象者を2つのグループで分けました。

  1. 体重を増やすために体重維持カロリーよりも非常に高いカロリーを摂取するグループ
  2. 体重を増やすために体重維持カロリーより少しだけ高いカロリーを摂取するグループ

これを4週間実施したところ体重維持よりも非常に高いグループのほうが大きな筋肉量を獲得しました。

しかしここで問題があります。獲得した筋肉量についてはG1は+2.7%、G2は+1.1%でした。2倍以上の差がありますが問題なのは増えた体脂肪です。このグラフを見るとわかりますが、4週間後、多くのカロリーを摂取したG1は体脂肪率の増加がG2と比べはるかに大きいことがわかりました。その差はなんとG2は+0.8%だったのに対しG1は+7.4%でした。

体脂肪と筋肉の比に換算するとG2は筋肉量と体脂肪が4:1で増えているのに対し、大量の栄養素を摂取したグループG1は4:3で増えていました。つまり多すぎるカロリー摂取は筋肉も追加させますがそれよりも多くの脂肪を生み出します。バルクアップは減量と同様に摂取したエネルギーを記録しなければならないのはこのためです。

バルクアップはとにかくなんでも食べればいい、バルクアップは太ることというのはあまり賢いやり方ではありません。

2013年の研究でも先ほどの研究とのように同じことが実現し、カロリーの余剰を少なくし、徐々に少しずつ体重を増やした方がより好ましい筋肉と体脂肪比になるためはるかに効果的であると結論付けられています。

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ウエイトゲイナー不要!!カロリーの”質”

ウエイトゲイナーサプリメント

筋肉を増やす場合は量よりも質

次はカロリーの質についてです。これもバルクアップに失敗する人の多くが見落としています。

単純に体重を増やしたい場合、摂取エネルギーは質よりも量が重要になります。しかし、除脂肪体重を増やしたい場合は量よりもどんな栄養素を摂取したかの質が重要になります

特に炭水化物は質が重要です。炭水化物は大きく分けると2つに分かれ、1~2つの糖分子を持つ単純な炭水化物と3つ以上の糖分子を持つ複雑な炭水化物です。単純な炭水化物は砂糖、果物、フルーツジュースやハチミツが代表されます。複雑な炭水化物には米、サツマイモなどがあります。お菓子などに入っているような甘いのが単純な炭水化物だと思ってください。

2020年の最新炭水化物レビューによると一般的には複雑な炭水化物のほうが多くの栄養素と食物繊維があるため単純な炭水化物よりも良い選択肢である可能性があります。

ウエイトゲイナーは悪質な栄養素で構成されている

バルクアップの時摂取する炭水化物は複雑な炭水化物がおすすめです。単純な炭水化物を多くとるとGI値が上がり、不要な体脂肪の追加が起こる可能性があります。体重を増やすサプリメントであるウエイトゲイナーサプリメントは確かに1っ杯でものすごいエネルギーを持っています。しかしながら、ウエイトゲイナーサプリメントは良質でないプロテインと単純な炭水化物を混ぜたものがほとんどであり除脂肪体重を増やすために重要であるエネルギーの「質」という観点からは良いとは言えません。

ウエイトゲイナーサプリメントに入っている栄養素のような良質とは言えないモノを「空のカロリー」とも言います

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科学的に正しいバルクアップ計画

おすすめのPFCバランス,目標カロリー

2019年の科学的レビューでは次のようなことが示されています。

初心者中級者は毎週0.5%未満の体重増加、カロリーは体重維持の10~20%増し、たんぱく質は体重1kgあたり1.6~2.2g、脂肪は0.5~1.5g、炭水化物はたんぱく質と脂肪を摂った後に残った分、つまり2000calが目安ならたんぱく質と脂肪で1500calだったら目標に2000calに対して残りの500calは炭水化物に当てるということです。

上級者は毎週の体重増加は0.25%以下、カロリーは体重維持の5~10%増し、たんぱく質、脂肪、炭水化物の摂取量は初心者中級者と同じです。一般的にはバルクアップ計画は3か月程度かかるもので体重増加も多くても5キロ程度です。

最後に筋トレ初心者の人に言いたいのはバルクアップは筋肥大を最大化させる方法のひとつですがバルクアップをしなければ筋肉がつかないわけではないため必要不可欠ではありません。

そのため、初心者の人やカロリー計算などが面倒な人はバルクアップをしないことがおすすめです。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。