お待たせしました。今回は科学的筋トレシリーズの続編、大胸筋です。大胸筋は筋トレの部位の中でも非常に人気のある筋肉です。そのため間違った情報とかが飛び交ったりしてますし非効率的なトレーニングをしている人も多いです。
安全に筋肥大効果を最大化させるために是非この記事を見て大胸筋トレーニングについて深く理解しましょう。
大胸筋は大きく分けると鎖骨頭(上部),と胸骨頭の2つに分けることができます、ただし、胸骨の領域は中部,下部の2つにも分けることができるので3つとも考えられます。大胸筋の上部は上方向に走っており、中部は横方向、下部は下方向に走っています。そのため大胸筋上部は下から上に上げる肩の屈曲,大胸筋中部は水平内転、下部は上からに下に下げる内転がそれぞれの部位をターゲットにするための重要なポイントです。
Dr.mike氏によると大胸筋をトレーニングする種目には3つの種類が存在します。
1つはベンチプレスのような水平方向のプレス、次に大胸筋上部を鍛える傾斜プレス、そして上腕三頭筋を使わない分離運動です。
この3つの運動が大胸筋トレーニングに含まれていることを確認して下さい。1週間のうちこれら3つの運動が各2~3セット最低でも必要です。
ほとんどの人にとっては8~12回、またはそれよりも少し低い回数の範囲が大胸筋の発達に最良の結果が得られるようです。ただし、この回数はコンパウンド種目のことであり、ダンベルフライなどの分離種目で高重量を扱うとケガのリスクが高くなります。そのため分離の場合は10~20の範囲でトレーニングすると良いようです。
Dr.mike博士は大胸筋は高重量の種目が非常に重要であるため軽い種目の前に高重量種目をやることを推奨しています。
大胸筋トレーニングは週に2~3回,12~20セットが最も機能するようです。週に3回鍛える場合、大胸筋トレーニングが月,水,金のように中1日しか空いていないと回復が間に合わずケガのリスクが高くなるため水曜日は軽重量でトレーニングしたりできるだけ疲労を残さないようにして高重量トレーニングは週に1~2回にしましょう。
大胸筋トレーニングの王様は間違いなくバーベルベンチプレスです。
筋電図分析からも分かる通り、大胸筋の活性化が非常に強いことがわかります。
ベンチプレスは大胸筋中部と下部という認識が強いですが実は大胸筋上部への刺激も非常に強く、フラットバーベルベンチプレスでは大胸筋全体を鍛えることができます。
2014年の研究ではベンチプレスの強さと大胸筋の成長には強い関係があることがわかっています。
この図を見てもらったら分かる通り、多くの人にはバーベルベンチプレスの重量を伸ばすことが大胸筋のサイズに強く関係します。
そのためバーベルベンチプレスは最初のメイン種目に置き、重量をしっかり記録し筋力を伸ばしていきましょう。筋力を伸ばしていくメニューのおすすめのやり方は概要欄にあるこちらの記事を見てください。
大胸筋上部を狙う傾斜プレスはインクラインダンベルプレスです。
バーベルよりもグリップが自由であるためダンベルプレスだと脇が閉じやすく大胸筋上部に重要な下から上への屈曲が非常にやりやすいためダンベルのプレスがおすすめです。
屈曲を意識し、フィニッシュでは顔の前に持ってくるイメージです。
リバースグリップのベンチプレスは最も優れた大胸筋上部の種目のひとつです。
大胸筋上部の筋繊維は肩の屈曲に非常に強く関与する筋肉であるためリバースグリップベンチプレスは研究によるとは一般的な回内グリップのベンチプレスよりも25~35%多くの大胸筋上部の活動をもたらすようです。
しかし、屈曲が強くなり大胸筋上部の関与が活発になるのと同じように屈曲が強くなることで三角筋前部の刺激も強くなります。さらにリバースグリップにすることにより、リバースグリップのカールから一般的なカールに移行するように上腕二頭筋に有利な運動になるため上腕二頭筋も活発になります。先ほどの研究ではリバースグリップベンチプレスは上腕二頭筋の活動が一般的なベンチプレスよりも2倍高いことを示しています。
三角筋前部と上腕二頭筋のオーバーワークやケガには注意が必要です。
大胸筋上部を重視したトレーニングはこちらの動画で詳しく紹介しているので詳しく知りたい方はこちらの動画を見てください。大胸筋上部おすすめの種目や間違ったフォームやおすすめのベンチ台の角度など詳しく紹介しています
分離運動はダンベルフライが代表的ですが重力に対して円運動であるため筋肉の刺激が不安定です。EMG研究でもフリーウエイトで円運動であるダンベルフライやプルオーバーは非常に低い大胸筋の活性化を示しています。
分離運動では使用可能ならマシンを利用しましょう。ただしバタフライマシンは軌道が固定されていて水平内転のみになります。そのため分離運動ではケーブルフライがおすすめです。
ケーブルフライはスタートの高さをいじれるので大胸筋上部を狙ったり下部を狙ったりすることができます。さらに軌道も自由であるためフリーウエイトに近いマシンです。フリーウエイトだと効果が落ちるフライにはうってつけです。
さらに腕をクロスすることで可動域を広げることができます。先ほどの筋電図分析も腕をクロスさせたものです。
ディップスは大胸筋全体や上腕三頭筋の発達に最も効率的な種目かもしれません。
大規模なEMG分析ではディップスが非常に強い大胸筋上部の活性化を示しているため大胸筋下部だけでなく全体的に強い刺激を入れることができます。
しかし、ケガのリスクは他の種目と比べ高い為細心の注意が必要です。体が地面と垂直の状態でのディップスは上腕三頭筋に刺激がほとんど行きます。
肘が90度になる角度で終了します。アシストをつけてスタートしましょう。ディップスでは三角筋のストレッチが非常に強く肘に負担がかかるので違和感があったらすぐにやめるのがおすすめです。
腕立て伏せも大胸筋と上腕三頭筋の発達に優れた種目です。研究によると腕立て伏せはベンチプレスに匹敵する大胸筋と上腕三頭筋のサイズと強度の向上が起こることが示されています。
この記事のように手幅は肩幅以下、速すぎずゆっくり過ぎないスピードを意識することです。
一応これは上中下バランス良く鍛えるメニューですが上部が小さかったり、逆に下部が他の部位と比べて小さい場合はケーブルフライを2日ともhigh to low にして屈曲をいれて上部を狙うなど調整してください。
A日
ベンチプレス メインセット
インクラインダンベルプレス 8~12rep 3set
ケーブルフライ low to high 10~15rep 2set
B日
ディップス 8~10rep 3set
プッシュアップ 10~15rep 2set
ケーブルフライ high to low 12~20rep 3set