今回はサプリメント解説、マイプロテインのプレワークアウトサプリメントなどに入っているシトルリンについて科学的論文を基に解説します。
シトルリンはスイカで発見されたアミノ酸のようです。
シトルリンサプリメントには2種類大きく分けるとあります。
ひとつはL-シトルリン、これは単純にシトルリンのことだと思ってください。ふたつ目がシトルリンとリンゴ酸塩の化合物であるシトルリンリンゴ酸塩です,シトルリンマレートともいいます。研究によってLのほうかリンゴ酸塩のほうかどちらが使われたかは違うので注意してください。説明上シトルリン=Lシトルリンだと思ってください。
そしてこれは必須アミノ酸ではないと考えられています。つまり、体内で生成することができます。
ここでシトルリンサプリメントの必要性のカギになってくるのが体内の生産だけに頼るのではなくシトルリンサプリメントなどで追加すると効果があるかです。
グルタミンも似たようなものですがこちらの動画を見てもらえれば分かりますが科学的にほとんど役に立たないことがわかっています。ただ、シトルリンはどうでしょう。
シトルリンは摂取されたあと、一部はアルギニンと呼ばれる別のアミノ酸に変換されます。
2015年の調査によるとアルギニンは一酸化窒素と呼ばれる分子に変換され、血管の拡張を引き起こすようです。ただしこの引き起こすは悪い意味ではありません。
さらに興味深いことに研究ではアルギニン自体を摂取するよりもシトルリンを摂取したほうが体内のアルギニンレベルが増加するようです。そのためアルギニンサプリメントを摂るよりもシトルリンサプリメントを摂取したほうがおすすめです。
一酸化窒素と血管の拡張による血流の増加は運動パフォーマンスの向上の有益なプロセスである可能性があります。
非必須アミノ酸は除脂肪体重には影響せず、たんぱく質を構築するために直接的に使用されるアミノ酸ではないということが科学的に示されていますがシトルリンはたんぱく質合成を増加させることが示されています(ソース)。
そして研究によるとシトルリンは特定のアミノ酸の肝臓への取り込みを減らし、それらの分解を防ぐ可能性があります。
直接的に筋肉の構築には結びつきませんが二次的に筋肉量の維持または増加を助ける可能性があります。
シトルリンは血圧を下げる効果があります。30~40人の高血圧、またはその他の心臓病の成人を対象とした研究ではシトルリンサプリメントの摂取で血圧が8週間後4~15%低下したことを発見しました。
さらに12人を対象とした小規模な研究で研究者はシトルリンサプリメントが7日後に血圧を6~16%低下させたことを発見しました。しかしこの研究は正常な血圧の人が対象だったり他の研究では4週間観察した結果シトリンの血圧への影響を確認できませんでした。
そのため血圧への影響は信頼性が薄いです。
次に多くの人が気になる運動パフォーマンスへの効果です。
いくつかの研究ではシトルリンリンゴ酸塩がウエイトトレーニングのパフォーマンスを改善できることを示しています。
41人の男性を対象とした研究では上半身のトレーニングに対するリンゴ酸シトルリンの効果を評価しました。その結果参加者はプラセボ群と比較してシトルリンリンゴ酸塩を摂取したグループはレップ数が多く、最後のセットに至っては53%も多い回数をこなせたようです。さらには大胸筋トレーニング後24~48時間後の筋肉痛の有意な減少を報告しました。
その他の研究ではシトルリンリンゴ酸塩を軽減し、低重量高回数トレーニングのパフォーマンスを向上させることを発見しました。
お気づきの人もいると思いますが運動パフォーマンスでプラスの効果を報告した研究で用いられたのはLシトルリンではなくシトルリンリンゴ酸塩です。そのため一般的にはシトルリンリンゴ酸塩がスポーツパフォーマンスの向上効果があると考えられています。
研究では被験者に2,5,10,15gのシトルリンサプリメントを摂取させました。その結果最高用量の15gでも副作用は報告されませんでした。しかし、最高用量は血中のアルギニンを期待したほど増加させませんでした。つまりこのサプリメントには頭打ちが起こるラインがあります。全体としてこの研究では10g以上のシトルリンサプリメントは不要であることが示されています。
ウエイトトレーニングのパフォーマンスを高めるためには8gのリンゴ酸シトルリンの摂取が推奨されています。おそらくシトルリンサプリメントを摂取してる人のほとんどがLシトルリンだと思います。
先ほど話した通り。一般的にはLシトルリンよりもシトルリンリンゴ酸塩のほうが運動により利点があると考えられています。
そのためシトルリンを買うときはリンゴ酸塩、シトルリンマレートのほうを買うほうがおすすめです。
ただし、1.75gのシトルリンリンゴ酸塩が1gのシトルリンを提供するためL-シトルリンは役に立たないかといわれたらそんなことはありませんので誤解しないでください。どっちも効果的ですがリンゴ酸塩のほうが優れているということです。
Lシトルリンを摂取している人は4.5g摂取するのがおすすめです。理由としては効果が報告されたシトルリンリンゴ酸塩8gが提供するシトルリンが4.5gだからです。
摂取タイミングとしてはカフェインと同様にトレーニングの1時間前に摂ることが推奨されています。