今回の記事では脚トレする方向けの今回は科学的筋トレシリーズの大腿四頭筋編です。大腿四頭筋は筋肉の中で最も大きな筋肉であり、僕はこの大腿四頭筋が下半身の外見で最も重要な筋肉だと思っています。
この記事ではそんな下半身の筋肉の中で非常に重要な大腿四頭筋の鍛え方について紹介します。
大腿四頭筋の主な動作は膝を伸ばす動きでこれは4つの頭全てに共通している動作です。ただ、大腿直筋は膝関節だけでなく、股関節にも関与しているため脚を前に出す股関節の屈曲にも関わっています。大腿四頭筋はその名の通り4つの頭で分かれていて大腿直筋、その内側にある内側広筋と外側にある外側広筋、大腿直筋の下にあり,内側広筋と外側広筋の間にある中間広筋があります。
Dr.mike氏によるとほとんどの人は平均して週に12~18セットが最も良く反応するようです。そして大腿四頭筋は週に1.5~3回の頻度でトレーニングすると回復と筋肥大両方を満たすことができます。
普通の人にとっては週に2回の大腿四頭筋トレーニングが最も大きな恩恵を受けられるそうです。
しかし非常に大きく強い筋肉であるため大腿四頭筋の局所的なトレーニングであっても全身疲労を引き起こす可能性があります。人によっては週に3回の高重量トレーニングでも回復できる人もいますが多くの人にとっては頻度が多く、回復が間に合わなくなる可能性があります。
週に1.5回というのは非常に筋力が強い人、レベルの高い人に当てはまる頻度です。いつも通り高重量でトレーニングする日と非常に軽い重量で行う日の2つに分けてトレーニングする必要があります。なので実際には2回鍛えます。
最もおすすめなのが大腿四頭筋トレーニング週に2回です。
大腿四頭筋のトレーニングで最も効果的なのがスクワットです。ローディングもしやすいですし大腿四頭筋の活動もかなり強いです。
スクワットにはローバーやハイバー、フロントスクワットなど色々な種類があります。
2015年の研究でもバックスクワットよりもフロントスクワットのほうが内側広筋、外側広筋のように大腿四頭筋の中でも目立つ筋肉が刺激されることがわかりました。
2016年の研究ではフロントスクワットのほうが一般的なバックスクワットよりも外側広筋の活性化が21%強いことが示されました。さらにフロントスクワットのほうがより軽い重量でバックスクワットと同じくらい大腿四頭筋を活性化できることが示されています。膝のトルクが小さいためフロントスクワットは膝が悪い人、大腿四頭筋を特に刺激させたい人にとってはバックスクワットよりも優れたトレーニングです。
次はハイバースクワットとローバースクワットです。ローバースクワットとハイバースクワットの違いはしゃがみ込む深さや膝の角度、あとは体の角度です。2020年6月の非常に最近の研究ではローバースクワットとハイバースクワットの筋電図を測定した結果からローバースクワットはハムストリングスなどの下半身の後部の筋肉を刺激するのに適していて、ハイバースクワットは大腿四頭筋の筋肉を刺激するのに適していると結論付けました。
2017年の研究でもハイバースクワットは体がやや直立した角度になるので大腿四頭筋の発達に適していて、ローバースクワットは大殿筋やハムストリングス、脊柱起立筋の活動が大きいことがわかっています。
どのスクワットを選ぶかについてはフロントスクワットはバックスクワットよりも難しいテクニックが必要です。さらに使用重量が落ちるためフロントスクワットとバックスクワットは下半身の成長にとって差はないと示した研究も数は少ないですがあります。
今のところ大腿四頭筋を狙いたい場合はフロントスクワットを選ぶのが科学的にも適切とされていますがフロントスクワットになれていなくて重量以前にフォームが維持できない人や関節の柔軟性でフォームが作れない人にとってはバックスクワットを選択したほうがいいと思います。
やり慣れているスクワットを選ぶのがおすすめですね。
次はレッグプレスです。レッグプレスも大腿四頭筋のトレーニングとして非常に優れた種目です。2014年のJournal of strength and conditioningの論文ではレッグプレスの脚の位置と筋肉の活性化の関係を調べました。
その結果脚をプレートの下に配置すると大腿四頭筋、真ん中や高い位置に配置すると大殿筋やハムストリングスが強く刺激されることを発見しました。
そしてスタンス幅について。スタンス幅についても先ほどの研究ではナローとワイドどちらも大腿四頭筋への刺激は変わらないと結論付けられています。そしてこれはスクワットにも当てはまります。
1999年の研究ではスクワットの脚の幅を75%と140%で比較した結果、測定した大腿四頭筋すべての頭で同じ活性化をもたらしました。
2001年,2009年の研究でもスタンス幅を肩幅の1倍,2倍で測定したところ有意な差はありませんでした。
スクワットやレッグプレスに関しては最も力の入れやすい脚幅でやるのが最も効果的のように思えます。
研究によるとその他のランジやステップアップは外側広筋、大腿直筋の筋活動がスクワットと近くランジにおいては外側広筋の刺激がスクワットよりも高いのでおすすめです。
ランジをするときは2014年の生体力学研究では次のことが示されています。
脚を曲げた際につま先と膝が地面と垂直になる位置にするとハムストリングスや大殿筋が強く刺激され、つま先よりも膝が前に来る位置でしゃがむと大腿四頭筋が強く刺激されます。これは股関節の屈曲に近づくためですね
次はレッグエクステンションです。レッグエクステンションは大腿直筋の刺激が強い種目です。大腿四頭筋の相対EMGは高くないため採用度はそこまで高くはありませんが大腿四頭筋のアイソレーション種目なので拮抗筋のレッグカールとスーパーセットを組むことができます。スーパーセットの動画で紹介したように拮抗筋同士のスーパーセットは時間短縮以外にもプラスの効果がある可能性があるため下半身のスーパーセットを組む場合はレッグエクステンションが不可欠になります。
2つの研究(1,2)によるとレッグエクステンションはつま先の位置によって大腿四頭筋のどの部位に刺激を集中させるかを選ぶことができます。
一般的なレッグエクステンションは大腿直筋を強く刺激し、つま先を内側に向けると外側広筋、外側に向けると内側広筋が強調されます。
下半身のスーパーセットを組むときや大腿四頭筋の不均衡がある場合はレッグエクステンションを採用するのがおすすめです。
レッグエクステンションはウエイトの負荷が膝に多くかかるためケガのリスクが高いと思う人もいると思います。ブラッドショーンフェルト氏の記事ではレッグエクステンションがケガのリスクが高いというのは部分的に正しい、実際膝関節へのせん断力、前十字靭帯へのストレスを高める傾向がある。しかしながら、正しく実行すれば健康の膝関節を持つ人には有害な影響を与えないと話しています。
今のところ膝に問題が無い人にとっては問題はないでしょう。
下半身トレーニングで最も多い間違いはパーシャルレップでしょう。皆さんもジムで見かけること非常に多いと思います。僕としてもパーシャルレップのスクワット,パーシャルレップのレッグプレスはよく見る光景です。視聴者の方、チャンネル登録者の方にパーシャルレップトレーニングをしている人はいないと信じたいですが万が一いたら今すぐフルレンジに変えましょう。
筋電図よりも信頼性の高い2013年の筋断面積、実際の筋肥大を調べた研究では200kgで浅くしゃがむスクワットと100kgで深くしゃがむスクワットを比較しました。その結果、重量は2倍違ったにもかからわず深くしゃがんだスクワットのほうが測定した6つの筋肉すべてで有意に優れていました。そしてそのうち4つの部位では筋肥大効果が確認できませんでした。
次に同じ年の2013年の研究ではパラレルスクワットはパーシャルレップと比較して 60ポンド,27kg軽い重量にも関わらず25%高い大腿四頭筋の活性化を確認し、
2014年の研究ではフルスクワットはパーシャルレップスクワットの2倍筋肥大したことが示されています。
全ての種目をフルレンジで行うことを強く推奨しますが、スクワットやレッグプレスは特に注意してください。僕の主観ですけどベンチプレスとかに比べてスクワット、レッグプレスのパーシャルレップは非常に多い気がします。
Dr.mike氏によると8~15回、マシンだと最大20回の範囲がほとんどの人にとって理想的なようです。
それでは回数もいれたおすすめの大腿四頭筋メニューをまとめて載せておきます。
quads1 |
スクワット メイン レッグプレス 8rep 3set レッグエクステンション 15rep 2set |
quads2 |
スクワット メイン or 違う種類のスクワット 8rep 3set ウオーキングランジ 12rep 3set レッグプレス 10rep 2set |