上腕三頭筋の筋トレメニューの組み方、科学的な鍛え方について紹介します。腕を太くしたい人にとっては上腕三頭筋のトレーニングは必要不可欠です。この記事ではそんな上腕三頭筋について科学的な論文を基に紹介します。
上腕三頭筋はその名の通り3つの筋肉から構成されています。上腕三頭筋の大部分を占める長頭、上腕三頭筋の横の部分にあって最も目立つ部分の外側頭、そして目立たない内側頭があります。
上腕三頭筋の3つの頭すべてが肘関節に関わっているため主な動作は肘関節の伸展です。上腕三頭筋のトレーニングの中心部分はこの肘関節の伸展になります。
Dr.mike氏によると上腕三頭筋は週に10~14setが多くの人にとって最も良く反応するようです。そして頻度としては大胸筋などのトレーニングで上腕三頭筋が使用することも考えると週に2~4回の頻度なら上手く回復ができるようです。ただ、大胸筋トレーニングの前日に上腕三頭筋をトレーニングするのは回復の問題があるのでおすすめしません。
上腕三頭筋は上腕二頭筋や三角筋中部とは違い力が強く、回復に時間がかかるためです。
上腕三頭筋のトレーニングにはアイソレーション種目を取り入れるのがおすすめです。
例えば上腕三頭筋の種目でナローベンチはかなり有名です。実際に研究では手幅を狭くするほど大胸筋の活性化は弱くなり、その分上腕三頭筋が強く活性化されることが示されています。しかし、上腕三頭筋のトレーニングボリュームは先ほど話した通り10セット程度であるため上腕三頭筋に多くの種目を費やすことはできません。
僕としてはこの後紹介する種目のほうが重要であり上腕三頭筋の限られたボリュームにはそれらの種目を採用するべきだと思っています。さらに大胸筋トレーニングとのオーバーワークとの兼ね合いもあります。ナローベンチで手幅を非常に狭くすると大胸筋の活性化は非常に小さくできますが先ほどの手幅研究では最も狭いグリップは手首と肩の不快感が大きくなる傾向を発見しました。なのでナローベンチはある程度の広さ、つまり大胸筋の関与があります。
上腕三頭筋のトレーニングメニューを決めるときに最も重要となるのが長頭とその他の内側頭,外側頭です。研究によると長頭と内側頭,外側頭ではトレードオフの関係があることがわかっています。
トレードオフというのは品質と価格のような関係で高品質なものを買おうと思ったら値段が高くなり、安いものを買おうと思ったら品質が悪くなるようにどっちかを求めたらもう片方が犠牲になる関係です。
上腕三頭筋の長頭とその他の二つの頭にはこの関係があり長頭が強く刺激される種目は内側頭,外側頭の刺激が弱くなります。もちろん逆もあります。この関係は上腕二頭筋も含まれます。
上腕三頭筋のトレーニング種目は長頭が強く刺激されて内側頭,外側頭がそこまで刺激されない種目、もしくは内側頭,外側頭が強く刺激されて長頭がそこまで刺激されない種目です。そのため上腕三頭筋のトレーニングは大体2~3種類で構成するのがおすすめです。
長頭が強く刺激される種目は肩関節の伸展動作がある種目です。上腕三頭筋の3つの頭の中で唯一長頭が肩関節と関係しているため上腕三頭筋トレーニングの種目に肩関節の進展を加えると長頭が刺激されます。
おなじみのブラッドシェーンフェルド博士の記事では上腕三頭筋の長頭は肩関節を伸展させることに関与する筋肉であるためオーバーヘッドのトライセプスエクステンションが長頭の発達に最適であると話しています。おでこにつけるエクステンションもありますがこれは肩の伸展動作が弱いため上腕三頭筋の長頭に強い刺激は入りません。
長頭の種目にはオーバーヘッドのエクステンションがおすすめです。
そして内側頭と外側頭を鍛える種目として最もおすすめなのがストレートバー、もしくはEZバーのケーブルプッシュダウンです。研究ではケーブルプッシュダウンが内側頭外側頭にとても強い刺激を入れることがわかりました。さきほどのブラッドシェーンフェルド博士の記事でも肘を側面に保持する動作では長頭の働きが弱くなり、内側頭と外側頭が活性化されるようです。
プッシュダウンにはロープという選択肢があります。筋電図分析によるとロープを使用するメリットとしてEZバーやストレートバーよりも内側頭の関与が強くなります。上腕三頭筋で内側頭を意識してトレーニングする人はロープでトレーニングするのがおすすめです。
プッシュダウンのときはリバースグリップでやる人もいますが上腕三頭筋は腕の回内、回外どちらにも関与しません。オーバーハンドグリップでやったほうが自然であり扱える重量が増える可能性もあるためオーバーハンドグリップでやるのがおすすめです。
僕のおすすめ上腕三頭筋トレーニングメニューはこちらです。
これを3セットずつ週に2回やると12セットとなります。