今回は筋トレの追い込みについて話します。筋トレ=限界まで追い込むのは正解、限界まで追い込むのが正義、限界まで追い込まないのは甘え、追い込まないと効果はないっていうのが日本だと常識みたいになってます。
日本のフィットネスの教科書や常識はステロイドユーザーが作ったものなのでナチュラルの人には合ってない場合が多いです。Bro-splitなどが代表的ですよね。週に1回1部位は筋トレメニューの常識みたいになってます。
今回は追い込みの常識についてストップをかけたいと思います。
まず限界まで追い込むことについての肯定的のように見える研究を紹介します。今から紹介する限界まで追い込むことについてのメリットを報告した研究だけでこの動画を閉じないでくださいね。
筋肥大させるために筋トレで機械的な張力を発生させて筋肉を大きくします、筋肥大を最大限にさせるためにはできるだけ多くの筋繊維を動員させる必要があります。
研究では回数が限界に近づくにつれてより多くの筋繊維が動員され、筋肉が活性化されるそうです。つまり筋肥大をさせるためには限界まで追い込んだほうが筋肉が成長することを意味します。
研究では限界までトレーニングをした後たんぱく質の合成は高くなり、対照的に限界回数から遠い回数でトレーニングを終わるとたんぱく質の合成能力が低くなるそうです。
この2つだけ見ると限界まで追い込んだほうが筋肥大にとって効果的のように見えます。しかし、実際ナチュラルの人の筋肥大というのはそんな単純ではありません。
限界まで回数をこなし、筋肉をオールアウトさせることは代償が伴います。研究では限界まで行うトレーニングが過度の筋肉の疲労やダメージを引き起こし回復時間を大幅に延長することを発見しました。
この画像を見てほしいんですけど赤い線の限界まで行うトレーニングは筋肉の回復時間を1~2日遅らせるそうです。
週に2回トレーニングするとしたら中2日、長くても筋トレした4日後には同じ部位をトレーニングしています。限界まで追い込むと回復までに3日程度時間がかかります。つまり限界まで追い込んでたらナチュラルに適した頻度でトレーニングしようと思ったら回復が間に合わなくなる可能性もあります。
次に研究では限界まで追い込むことを続けている人はオーバートレーニング症候群の状態になり、筋肉の合成能力が落ち筋肉をつけるのに効率の悪いカラダになる可能性があるそうです。
じゃあどれくらいの回数を残してトレーニングを終えるべきか、最高なのは限界まで追い込まず、回復面の問題を発生させ無いと同時に限界まで追い込むくらいに筋肉を活性化させることですよね。
研究では回数と筋肉がどれくらい活性化されたかを調べました。肩と僧帽筋はこちらです。左が三角筋で右が僧帽筋です。右に行くにつ入れて限界に近い回数で一番右が限界回数です三角筋は大体5回前くらい、僧帽筋は限界から3~4回前くらいで筋肉の活性化が停滞していることがわかると思います。少なくとも限界である一番右の値が最大値ではないことがわかると思います。
運動学者のジェレミー氏も仮にサイドレイズが最大15回できるとすると1セットあたり10~12回サイドレイズを行い、まだ数回分余力を残しておく。限界回数ではないが筋肉の活性化を最大にするには十分であると話しています。
そして限界まで追い込むことでたんぱく質合成が高くなるという研究の続きですが、余力を残して限界まで追い込まなくてもたんぱく質合成は最大にできるそうです。
そしてボリューム面に関しても限界までトレーニングするのはメリットがあまりありません。研究では限界まで回数をこなすと短時間では回復できない筋肉疲労が起こり、2セット目以降のセットでパフォーマンスが低下しこなせる回数が大幅に少なくなります。
セット間でとるインターバルにもよりますが余力を残して終わることで2セット目以降でのパフォーマンスの低下を最小限にすることができます。研究では限界までやるグループと余力を残して終わるグループでは結果的にトレーニングは同じボリュームでした。しかし、限界までやったグループは多くの力を使いました。
2019年の論文では研究対象者をレッグエクステンションを限界まで行うグループと限界の1~3回前にやめるグループとで分けました
それぞれ14週間トレーニングを行った結果がこの画像です。緑の限界までやらないほうが筋力、筋肉量、筋持久力ともに上回っていました。ここで重要なのは2つのグループが行ったトレーニングは同じボリュームでした。
つまり余力を残して終わるほうが優れていることが分かってもらえたと思います。筋肉は限界まで追い込まないと発達しないとか追い込むのが正義というのはナチュラルにとっては間違っています。
あまりにも限界の手前でトレーニングをやめるのはオススメしません。例えば10回が限界のカール動作を5回で終わるといった限界からかなり離れた回数で終わらせることは研究では筋肉の成長に効果的なものではないとわかっています。
僕は種目や扱う重量によってどれくらい余力を残して終わらせるかを変える必要があると考えます。
例えばサイドレイズ15回が限界だとすると3回余力を残して終わらせる12回が良いと思います。しかし高重量のベンチプレスを5回が限界で3回余力を残すとたった2回になってしまいます。
なのでどれくらい余力を残して終わらせるかのおすすめをRPEを使って紹介します。RPEを簡単に説明するとRPEとは余力をどれくらい残して終わらせるかの値です。RPE9と言われたら1回分余力を残して終わらせます。
計算の仕方としてはRPEの値から10引いた値が余力として残す分です。RPE8だったら8-10=-2なので2回分余力を残して終わらせます。
5回以下の高重量でやる場合RPEは9です。どんなに重くて限界まで挑戦したとしても最大はRPEは9にするようにしてください。つまり必然的にMAX重量は基本はトレーニングでは扱いません。
次は6~10回以下の中重量の場合はRPE8が良いと思います。10回できる回数を8回で終わらせるのがおすすめです。
次は11回以上の軽重量はRPE7です。サイドレイズなどの軽い重量で高回数がおすすめのトレーニングではRPEは低くするのがおすすめです。