今回はトレーニングしている人の永遠のテーマにも近い筋肉痛は筋肉の成長に関係しているのかについて紹介します。まず今の一般的な考えでは筋肉痛は筋肉の損傷を表すもので、この筋肉の損傷が筋肥大において重要なため筋トレをしてから筋肉痛がないのは筋肥大のために効果的な筋トレができなかったことの証明。であるという認識です。
まずは筋肉痛が筋肉の損傷の指標になるかについて、これは正解です。科学的な研究で筋肉痛は筋肉の損傷の有無を示すものであることが研究で明らかにされています。
さらに筋肉の損傷が筋肥大において重要であるかという考え、これも正解です。研究ではウエイトを持ち上げる機械的緊張、筋肉の損傷、筋肉の緊張から生まれる代謝ストレスの3つが筋肥大にとって重要である可能性があると考えています。
これらの情報から筋肉痛が筋肥大において重要な役割をはたしているため、多くの人が筋トレ後の筋肉痛を非常に気にします。
先ほどの3つの刺激が筋肥大において重要と示した研究を見ると3つの刺激全てが必要不可欠と錯覚してしまうのが問題です。
研究では筋肉痛、つまり筋肉の損傷がなくても筋肥大効果は得られるということを示しています。つまり代謝ストレスと機械的緊張があれば筋肉の損傷は無くても筋肥大は十分に起こります。
みなさんの体感として大胸筋や背中の筋肉痛は来やすいけど三角筋、特に中部の筋肉痛をほとんど感じたことが無い人は多いと思います。研究からも三角筋は比較的筋肉の損傷が小さいことが分かっています。
筋肉痛がほとんど来ないから筋肉は大きくならないかといわれると違いますよね。損傷が小さいが三角筋は筋肥大するため筋肥大にとって筋肉の損傷、つまり筋肉痛は重要ではありません。
Bro-split法を経験したことある人ならわかると思いますがBro-split法のほうが筋肉痛は来ます。頻度が低く、一回のボリュームがかなり多いので筋肉痛は来やすいです。1週間筋トレを休んでた人と1か月筋トレを休んでた人とでは同じメニューをこなしても筋肉痛の強さは違うことが皆さん想像がつくと思います。
つまりいつぶりの筋トレだったかなど筋肉痛は頻度にもかなり影響されます。
次にこちらの研究ではマラソンなどの長距離を走った後に筋肉痛が来る場合があることが分かっています。100kgのスクワットで筋肉痛が来ない人と長距離を走って筋肉痛を感じる人の2人ではどっちが筋肥大するかは明らかですよね。ランニングは筋肉の成長とは密接な関係がないので、これもまた、筋肉の痛みが実際には筋肉の成長を示唆していないことを示しています。
研究によると筋肉痛が残っているときにトレーニングすると目的の筋肉、ダンベルカールだったら上腕二頭筋、サイドレイズなら三角筋中部などの狙いたい筋肉の活性化が低下し、筋力が最大50%低下しその後の回復プロセスのも悪影響を及ぼすことがわかっています。